腎臓の力を高める

         腎臓の力を高める
                                                                腎臓機能障害認定指定医
                                                                  大阪白山病院副院長
                                                                       里見 英子
腎臓の力を高めると:
 *肌が潤いツヤが出る
 *動脈硬化を防ぎ血行もよくなる
 *きれいな血液を作る
 *疲れ知らず元気いっぱい
 *夜中に目が覚めずグッスリ眠れる
 *骨が丈夫になる
腎臓の働きとは:
 *体内の老廃物をろ過する
 *水分の再吸収と調整
 *血圧を安定させる
 *新しい赤血球をつくる
 *骨を丈夫にする

腎臓は、身体の臓器の中で最も早く老化する
しかも腎臓は、機能が 70%以上低下するまで自覚症状が出ない。
だから気づいた時は手遅れになるケースが多い。
腎臓の負担を減らし長持ちさせる。
最近の研究で新たな工夫がわかった。
腎臓の負担を減らし長持ちさせるには水分が大切であるが、今の季節(秋)は腎臓にとっ
て水分摂取はなんでもよいというのは誤りである。
ひまわりの季節なら水分はなんでもよいが、コスモスの季節はとっておきの水分が良い。
腎臓は、「肝腎かなめ」といわれるように、腎臓は大事な体のクリーニング工場である。
ここに障害が起こると、要らないものが身体に溜まってしまう。

秋に老化が早まる腎臓
腎臓は、血液をろ過して身体の要らないものを捨てるが、夏の間は汗がたくさん出るので、
汗としても身体の外に要らないものを出すことができる。
ところが、10 月になると汗が減る。その分、尿(40%増)で排泄しなければならない。秋に
なると腎臓の負担が増える理由である。

  注目情報:ポリフェノールを含むウーロン茶を1日 2 杯慢性腎炎患者(116 人)に飲ま
       せると、3 カ月後には 89%の人に改善効果がみられた。(日本腎臓学会)

腎臓で血液がろ過されると、たくさんの活性酸素が発生する、活性酸素はすべて老化
の原因であるので、この活性酸素に対するものをとらなくてはならない。ウーロン茶に
はポリフェノールたくさん含まれている。普通のお茶を半発酵したものがウーロン茶で
あるが、発酵の過程ですごく力が増え、ウーロン茶の飲用によって“SOD(活性酸素を
消す力”)が増える。お茶にもカテキンがふくまれるが、ウーロン茶ポリフェノールの
方が3倍強い。
従って秋口は、お茶よりもウーロン茶が良い。

腎臓の負担を減らし長持ちさせる
1日コップ 2 杯(400ml)のウーロン茶を、食事のときに温めて飲むと良い。
何故かというと、アロマ効果、気持ちがなんとなくゆったりするという効果もある。
食事中に飲むと中性脂肪も抑えられるので、食事をしながら温めて飲むのが賢い。
秋だからこそ腎臓の負担を減らし、長持ちさせることを心がける。
 1 腎臓内の活性酸素を消す
 2 塩分を腎臓に入れない
 3 腎臓に細菌・ウイリスを入れない

塩分を腎臓に入れない
腎臓に入る1日の塩分量は 1860g。塩は身体に絶対必要なものであり、これだけの
量が身体をめぐり状態を整えている。腎臓を通過する時に塩分濃度を調節している。
腎臓が一生懸命働いて血圧の調節をしているが、寒い季節になると血圧が上がり気味
になる。
腎臓に負担が増えるので、血圧の高い人は塩分を控えるように言われる。何故か塩
分をたくさん摂ると血液中の塩分濃度が上がる。そうすると水分で薄めたいということ
で水分補給をする。—体液量が増えると心臓のポンプの力が多く要る—血圧上昇

次に別のルート
塩辛いものをたくさん摂ると血液中の塩分濃度が上がり、血管が締まる—血管収縮
血管がしまると——- 血圧上昇

更にもうひとつのルート
塩分をたくさん摂ると、腎臓をめぐる塩分の量が多くなる。すると腎臓が一生懸命働
かなくてはならない。——- 血圧上昇

血圧が上がると、血圧自身が腎臓に負担になり悪循環となる。従って、塩分の摂り方
が腎臓には大切である。
塩分を摂り過ぎると、尿にしてたくさんの塩分を排泄するように腎臓で自動的に調節
している。ところが、夏は汗が出て汗になって塩分を捨ててしまうので、あまり腎臓に
負担がかからない。
涼しくなると汗が出なくなるので、今度は小便に出してしまおうとなる。

腎臓の負担を減らし長持ちさせる。
腎臓の3悪である塩分を腎臓に入れないで便として排泄するには、海藻類を摂ると良
い。
海藻類:わかめ、もずく、めかぶ、こんぶ・・・特にオススメはもずく
海藻は繊維分が多く、海藻に含まれる繊維は水溶性食物繊維である。海藻をたくさん摂
ると腸を通っていく際に塩分と海藻がからみあい、余分な塩分を便と一緒に排泄してし
まおうというもの。汗で出なくなった塩分を便と一緒に捨てるというのが、今最大のデ
ッドヒート。

海藻類のフコイダン量 (乾燥 1kg 中)
 もずく 250
 めかぶ 80
 こんぶ 40
 わかめ 15
免疫力を上げるフコイダンは、もずくに多い。
腎臓の負担を減らし長持ちさせる。
塩分を腎臓に入れない  海藻類  オススメはもずく
塩分を腎臓に入れないひと工夫 もずくを叩く
もずくは消化吸収が悪いので、叩くことによって細かくし吸収を良くする。
もずくが塩分を絡め取り、便と一緒に排出することができる。
叩いたもずくは、夕食に摂ると効果的である。

腎臓に細菌・ウイリスを入れない
腎臓が悪くなるきっかけは、風邪のウイルスが案外多い。
注目情報:みかんの酸味成分シネフリンには、気管支を拡張させ細菌・ウイリスを排除
する効果があることが判った。 (近畿大学)
腎臓を悪くする原因 3 つのうち、まず活性酸素をやっつけることで、次が塩分。それ
から 3 つ目が風邪をこじらせて腎炎になってしまうことで、その予防にはミカンが良い。
ただし、ミカンは丸ごと食べる。
皮に効能があり、漢方薬にも使われている。
腎臓の負担を減らし長持ちさせる
腎臓の 3 悪・腎臓に細菌やウイルスを入れない。

 みかんの外皮や薄皮に含まれるシネフリンは、酢に漬けると溶出して吸収され易くなる。
みかん酢に生姜を入れると、腎臓内の殺菌効果が高くなる。
腎臓に細菌・ウイルスを入れない特製殺菌みかん酢の飲用
腎臓が悪くなるもう一つのポイントは、寒い時に腎臓が悪くなる。というのは、身体を冷
やすと腎臓に負担がかかるので、身体を温めたい。昔から生姜というと冷え症に効く。
従って、生姜をプラスして、よりパワーアップしようということ。

みかん酢に生姜を入れると、腎臓内の殺菌効果が高くなる。
特製みかん酢は、水で 5 倍に薄めて寝る前に飲む。

特製みかん酢の作り方
 材料 : みかん 2 個、生姜 2~3 かけ、リンゴ酢 150ml、 ハチミツ 80g
 作り方: みかんと生姜をきれいに洗って薄切りにし、ハチミツを加えて
     1時間ほど置く。お酢を入れて、一晩置いたら出来上がり。

腎臓の負担を減らし長持ちさせる コツ
腰を冷やさない、腰を締め付けない、ストレスをためない